どす黒い日記帳

展覧会の感想など(主に都内)

#14 格式の高い下品

先日、ジャコメッティの映画を観に行った。 去年ジャコメッティ展を見たということもあり、折角だからと思った。Final Portrait というタイトルが示すように、 ジャコメッティの最後の肖像画のモデルとなったロードが、 モデルを引き受けたばかりに振り回さ…

#13 ある日の写真探訪

ある晴れた日の昼下がり。駅の改札口。 辺りは往来する人でごった返している。 その日は写真日和であったので、写真を見て回ることになった。 最初に出向いたのは、米国橋画廊という 都心の陰にひっそりと佇む画廊だった。 その、光の差さない、いかにもひっ…

#12 ヘタだけどクセにならない

不染鉄という画家がいたという。 さすがに本名ではないらしい。本名・不染哲治––あまり変わらなかった。"朦朧体"などを取り入れながら日本画を描き始める。 後年は画壇から距離を置き、ひとり絵を描き続けたという。 この界隈にはよくある話である。それで、…

#11 異邦人

サンシャワーが一時期盛り上がりを見せていて落ち着かなかったので、 私も早いところ行っておこうと思った。前情報からイメージしていたのは、①シャイニーなアートクラスタや若者達が歓喜して写真を撮りまくりたくなる 大規模でキラッキラしたインスタレーシ…

#10 タイトルの悲しみ

好きな作家の展覧会であっても、 タイトルに引っかかる所があって興味が持てないことがある。至る所で一つ覚えのように奇想奇想と騒ぎ立てるようになって何年経ったか分からないが、 親しみを持たせようとする思いが行き過ぎた、見るも無残なタイトルやコピ…

#9 ソール兄弟

暑い昼下がり、渋谷へ行った。 目的地へ行く前に、近くのギャラリーへ立ち寄った。床の上、大きめの石の前に、本の切れ端とバラの切り花が添えてある。うん。 今日の目的の一は文化村だった。足を踏み入れるたび、 オシャレでハイソサエティな気が充満した空…

#8 純粋鑑賞、恵比寿

純粋鑑賞それは、目的を持たない鑑賞。 そこには感動や満足もなければ、不満や苦渋もない。 鑑賞という行為を今一度見直そうという営為である。まずは市街地にひっそり建つナデ○ッフへ。地下の写真展を見る。 無人である。 写真がいっぱい並んでいる。 その…

#7 王国リベンジ

五月病の只中のせいか、とても意識が低い。 いや、意識が低いのはいつものことだ。そこで、東京駅丸の内口に構えられた王国に再び乗り込むことにした。matteblackdiary.hateblo.jp正面から向き合うことすらできなかった前回の反省を踏まえ、体調管理を心がけ…

#6 バベルの湯

眩しくつらい黄金週間も終わったことなので、再び上野に行くことにした。まずはバベルの塔展である。 タイトルの時点で行く気をなくすところだが、ネーデルラントのオイリーな絵画をまた色々と見たいと思った。絵画展と思っていたら、冒頭は彫刻である。 教…

#5 王国というか迷宮

世間はゴールデン・ウィークということで、黄金に輝く人々の姿が多く見られたが、私はいつも通りの有り様で、真っ黒オーラで晴れやかな空気から身を守っていた。そんな私にピッタリの展覧会があった。 アール・ブリュット/アウトサイダー・アート関連では真…

#4 美術館と劇薬

しばらく行っていない美術館に行こうと思った。たまたま近くに用があったので、坂を30分ほど登ってワタリウム美術館へ行った。ワタリウムは、私にとって特別な位置を占めている。いつ劇的ビフォーアフターされてもおかしくない、狭小住宅のような建物。 展覧…

#3 アッパーフィールドにて

今日はベタに上野だった。 主な目的は藝大だった。 「みんな、オラに力を分けてくれ」な感じの呂洞賓がまもなく公開終了だというので、これはいけないと思った。ひそかに気になっていた雪村展。 「「ゆきむら」ではなく「せっそん」です」というふざけたコピ…

#2 最近はやりの驚異の部屋的な

初台のオペラシティへ。 先日の六本木とはうってかわって、週末だというのに施設全体に全くにぎわいがない。 私のような社会不適合者には、とても理想的な環境である。はじめに告白すると、「片山正通的百科全書」というキャッチーな題目に過大な期待を寄せ…

#1 ミュシャ彌生

新美術館に行った。 ミュシャと草間彌生。 このような大混雑必至の企画を同時期に開くなど、正気の沙汰とは思えないが仕方ない。中は、果たして混んでいた。 ロビーに蠢く人波を見るだけで、帰りたくなる。そう思いはしたが、会場に入ってみる。 まずはミュ…